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Time comes so fast [日記]

時間。意識せずとも次へと進んでいくもの。
その時々によって時間の価値は違ってくるものやと思わされた日でした。

何気なく普段通りに談笑しながらサッカー選手のトリートメントをしているところに血相を変えたバスケットボールの選手がトレーニングルームに駆け込んできます。

「どうしたん?」

「泰造、上で女性が気絶して倒れてる。早く来て」

トリートメントを即効中断して一緒に上の階へと駆け上がっていきながら
どういう状態なのか聞くと

「彼女、呼吸もしていないし、脈もないみたいなんだ」

後から確認した限り、この時点で少なくともその女性が倒れてから3-5分が
経過。EMS(救急隊)に連絡した後、みんな僕を探していたらしい・・・。

選手が駆け込んできてからおそらく約20秒後、現場に到着。
真っ青な顔をした意識不明の女性が倒れていた。とりあえず、脈と呼吸を
確認といきたいところが、正直焦っていたのか、意識がある人にいつも
使う手首で脈を取ろうとしてしまって、5秒後はっと我に返り頸部での脈と
呼吸を確認。残念ながら心肺共に停止状態。CPR(心肺蘇生法) 開始と思ったところにAED(自動体外式除細動器)が到着。

ここで他にCPRを出来る人かAEDを使うことが出来る人が他にいれば
その人と手分けしてどちらかがCPRをして、もう一人がAEDを用意出来たん
やけど、周りにはおらず、一番蘇生の確率の高いAEDを選ぶ事にしました。
目に見える範囲に居たコーチ達はCPR、AEDともに資格を取っているはず
はんやけど、僕が来るまで何もしてなかったことを考えてもあまり頼るべきでは
無いと考えた結果です。今考えると、それでもええからAEDを用意させて
僕がCPRを始めればよかったと思う部分があります。

AEDを用意して、セットしたところにEMSが到着して彼らに状況を受け渡した。
AEDによるショックによって脈は戻ったものの、呼吸は停止状態。
そのまま病院に搬送され、おそらくより高度な機器の整った近くの病院に
運ばれたと思います。

人生の中で毎年、CPRとAEDに関しては更新のために練習はしてきましたが
実際の現場で行うのは初めて。正直どこかで、そういう現場に遭遇する事は
ないやろうと高をくくっていた部分はあるかなと思います。丁度、うちの大学
水泳と飛び込みの大会が行われていたので、ある程度準備はしていたものの
まさか違う所で起こるとは思っていませんでした。

目の前で人生を閉じてしまうかもしれない人が倒れていて、その人生が
終わるか否かは僕の手に掛かっているかもしれないという現実に触れた
瞬間、今まで感じたことの無いプレッシャーが襲ってきました。
たとえ蘇生したとしてもたった10秒の違いでその人の生活は大きく変わる
かもしれない。元の体に戻るのか半身不随になるのか、それとも植物状態に
陥るのか。

僕が作業をしている間、彼女の夫はなんとも言えない声で
「Honey, please come back. Honey, please」
と叫んでいます。

改めて自分の仕事は人の人生を左右するかもしれないものなんやと
感じさせられた瞬間でした。何気ない1分、1秒。それが大きな分かれ道に
なるかもしれない。人の体をあずかる身として気を引き締めなおしたいと
思います。ちなみにその女性はまだ40歳。大学のジムで少し体を
動かした後、友人達と談笑していた時、何の前触れもなく気絶して
ばたっと床に倒れたとの事でした。40歳というと、僕にとってはたったの
12年後。誰もその年でそんな状況に立たされるとは予想出来ないでは
ないでしょうか。

一方で今日はサッカーチームの4年生を送り出すパーティーがありました。
何だかんだで2シーズンを共にした彼女達。話をして、ハグをしながら
寂しさが出てきてました。明日は彼女達にとって人生最後のサッカーの試合。
思ったようにうまくいくシーズンではなかったけど、楽しんで選手生活を
閉じて欲しいな思います。

そして去年、ACL(前十字靭帯)を切って、ずっと一緒にリハビリをしてきた
女の子が今年初めて先発出場します。正直膝は完調からは程遠く
1年の最初からずっとレギュラーやったその子からすると失望の連続の
シーズンでした。シーズンの最後に来て他の選手の怪我が増えてしまった事で
回ってきた先発出場ではありますが、彼女には大好きなサッカーを楽しんで
欲しいということだけが願いです。試合が終わった後に少しでもプレー出来て
良かったと思ってくれたなら僕は最高に幸せかもしれません。

今日は、4年間を総決算する人、1年ぶりの舞台に立つ事が決まった人
そしてたったの数秒で人生が変わってしまうかもしれない人
時間とはさまざまな重さを持っているんやなと思わされた日でした。
少しでも練習するだけで大きく変わるかもしれないCPRとAED。
人の生命に関わる事がないと思われる人でも身に付けるだけでひょっとしたら
周りの大切な人を守ることが出来るかもしれません。一年のうちで1,2日で
良いからそういったことに時間を使うことは決して無駄では無いと思います。

お後が宜しい様で・・・・・。


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コメント 4

taisuke

はじめまして。私は今テネシー州でアスレチックトレーニングの勉強を始めたばかりの者です。
同じ道を歩んでいる人として他人事とは思えず、ドキドキしながら読んでしまいました。正直自分が今そうゆう状況になってしまったら何もできません。もっと精進しなきゃなって思いました。ありがとうございます。
by taisuke (2006-11-06 05:59) 

ますみ

ども。お久しぶりです。

大変な現場に遭遇しましたね…
読みながら私もドキドキしました。


大学時代何度か近所のコンビニで人が倒れたところに遭遇したことがあります。

いずれのときも店員さんが対処していたんですが、凄く怖かったのを覚えています。


医療従事者としてCPRとAEDは出来て当然なんでしょうけど、実際こんな場面に出くわしたら…と思うとやっぱり怖くなります。

でもその後のことを考えたら、肋骨折ってでもCPRをやるべきなんですよね。

なんか考えさせられました。


もっと知識と技術つけなくちゃ。



お疲れ様でした。
by ますみ (2006-11-08 01:13) 

disclosed

Taizo-san,
How are you doing? Since we saw each other when you visited Rose-Hulman this past summer/fall, I have moved back to TN. I am currently working at the school where I have graduated 3 yrs ago. I am glad that you have been doing well with work and having good experience in this profession. I will holla at you when I have a chance to see you. Talk to you later and have a great day.
by disclosed (2006-11-27 03:24) 

たいぞー

>Taisukeさん
返答が遅れてしまい申し訳ありません。テネシー州の大学で学ばれてるとのことですが、同じテネシー州内であれば何かしらの機会でお会いできるんじゃないかなと思います。また、もしよければご連絡頂ければと思います。僕のEmailアドレスはこのブログのProfileのところに載せてあります。ではでは、ご活躍をお祈りしております。

>ますみーー
ういっす。いやー、おじさん冷や汗もんでした。笑 
これ以降、普段からの姿勢を含めて様々な面で自分の仕事について考えさせられるようになったよ。ま、また次に会った時に色々話せますわな。コメントありがとう。ほんじゃ、またメールで。

>Discolosed さん
お久しぶりです。お仕事の方はいかがですか?何ヶ月か前に仕事が空いてるのは知ってましたので応募されてるんじゃないかなと思ったりはしていました。ということは、うちの大学のチームが何度かお世話になりに行ってるっていうことですね。笑 お粗末なプレーが多かったかもしれませんがお許し下さい。苦笑 また、電話ででもご連絡させて頂きます。コメントありがとうございました。
by たいぞー (2006-12-09 14:01) 

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